バイポーラトランジスタの勉強 その1 基礎の勉強

2020年7月12日

こんにちは。そらです。ADAML2000を使用してアナログ回路の勉強をしていきたいと思います。
前回はRCローパスフィルタやRLハイパスフィルタについて勉強をしました。今回はADAML2000のページにはありませんがトランジスタの増幅回路の勉強をしたいと思います。
理由としては、トランジスタは真空管の代わりとして生み出されたもので当時は革新的なものだったようです。電子工作かいで有名な雑誌"トランジスタ技術"というくらいなので、トランジスタの基礎の勉強はすべきですよね?をしていきたいと思います。
教科書や参考書、文献等によって半導体に不純物を混ぜたもののn,pの後に型、形と違う感じで書かれていることがあります。この記事ではp形ではなくp型のように書きます。




バイポーラトランジスタとは

n型半導体とp型半導体について簡単に紹介

このブログで度々登場しているSTM32マイコン等のICと呼ばれるもののチップのほとんどは半導体が使われています。

ここからは、株式会社 日立ハイテク 半導体の部屋と半導体工学を参考に簡単にまとめたものになります。詳しくは、参考文献を参照していただければと思います。

半導体は絶縁体と導体の中間程度の抵抗率を持っています。ただし、この半導体に不純物を入れることで電気を流すことができるようになります。半導体として主に使用されている元素はシリコンであり、限りなく純度が100%に近いものに、3価の元素(ホウ素やアルミニウムなど)をごく少量加えることで電子が抜ける現象が発生します。この、電子が抜けて正孔(ホール)を持つものをp(positive)型半導体といいます。逆に、5価の元素(リンやヒ素など)をごく少量追加して電子が一つ余った状態になったものをn(negative)型半導体といいます。
ここで、p型半導体を作るときに使う元素をアクセプタ、n型半導体を作るときに使う元素をドナーと呼ぶことがあります。

構造と特性

半導体単結晶に不純物を入れてp型、n型半導体をnpnやpnpのように接合したものをバイポーラトランジスタという。構造を以下の図に示します。

3端子の素子で中心の部分をベース(B)、左右の領域をそれぞれコレクタ(C)、エミッタ(E)といいます。ただし、ベースの領域はとても狭く、ベースの電圧によって電流が流れるかどうかが決まります。コレクタ側の接合をコレクタ接合といい、エミッタ側の接合をエミッタ接合と呼びます。

エミッタ接合には順方向電圧、コレクタ側接合には逆方向電圧を加えた回路構成をとって回路を構築していきます。このことより、エミッタ接合は順方向電圧が加えられるため抵抗が小さくなり、コレクタ接合側には逆方向電圧が加わるため抵抗値はとても大きくなることが考えられます。
この議論はpn接合ダイオードについて勉強する必要があるが、脱線するためpn接合のダイオードについて勉強するときに学ぶ予定です。

ここからは、npn接合トランジスタのベース接地、エミッタ接地、コレクタ接地の時の電圧利得について考え、増幅率について考えていきます。

各端子の接地における増幅率についての検討

回路について

npn接合トランジスタの回路図は以下の通りです。

それぞれの接地ときのnpnトランジスタを使用した回路を以下に示します。

増幅率について

接合トランジスタの定数として電流増幅率が定義されてり記号ではαと書かれることが多いです。ベース接地のときの電流増幅率は以下の通りです。

また、ベース接地のときの電流増幅率はほとんどの素子で0.95~0.99と1に近い値になるように作られていることが多いです。

話が変わりますが、2SC1815などのデータシートを眺めていると、増幅率のところにhfeと書かれていることが多いです。これは、エミッタ接地のときの電流増幅率を表すときに使われており大体の素子のデータシートではエミッタ接地のときの特性を評価されていることがわかります。導入もさておき、エミッタ接地のときの電流増幅率を考えてみたいと思います。

この式より、電流増幅率は確実に1よりも大きくなることがわかると思います。また、ベース接地のときの電流増幅率のときの0.95~0.99を代入してみるとエミッタ接地のときの増幅率が大きくなることがわかると思います。約20倍から100倍程度の増幅が可能になりそうですね。

同様にしてコレクタ接地のときの増幅率を求めてみます。

コレクタ接地のときも増幅率が大きくなることが、式から明らかですね。

さいごに

バイポーラトランジスタとは何かというところから、ベース・エミッタ・コレクタ接地のときの電流増幅率について勉強をしてみました。次回は、電圧利得やインピーダンスなどについて勉強して、現実の回路においてどのように使われていくのかということについて勉強をしてみたいと思います。

理論の勉強の重要性を学びました。勉強に詰まった時の発言は以下の通りです。

理論の勉強がそれなりにできたら実験とシミュレーションをやってみようと思っています。

参考文献

株式会社 日立ハイテク 半導体の部屋

内容は結構難しいですが、深く書いてありました。まだ読破も理解もできてないです・・・。