ロボトレース競技のマシンを作ってみる その8 はんだづけをする

2020年4月25日

こんにちは。そらです。

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基板が届いた、電子部品が届いたということは、はんだ付けをして動作確認をすることができます。今回は、私がはんだづけをするときにつける順番や気を付けている点について書いていこうと思います。

はんだづけなどに使用している工具は以下の記事で紹介しているので、興味のある方は見ていただければと思います。




はんだづけで気を付けていること

注意していること

以下の点に注意してはんだづけはおこなっています。

  • はんだごては、熱容量の大きいこて先を使用して温度は330度程度でパッドに添えるだけにすること。
  • チップ部品が基板から浮かないようにすること。
  • 適宜、マルチテスター等を使用してショートをしていないかどうかの導通チェックを行うこと。
  • 部品の付ける向きを間違えないこと。

電子工作等をされている方からすれば当たり前のことだと思います。赤文字で書いた部品の向きを間違えないことは、QFN等の小さい部品や、スルーホールの部品でやってしまうと、直すときに基板のパッドを破壊してしまう可能性が高くなるので気を付けましょう。

はんだづけの順番(例)

マイクロマウスやロボトレーサで、初めて使用する素子を使用した電源回路の場合は次の順番でつけていきます。

  1. 電源回路
  2. 動作確認
  3. QFN等のリードのついていない集積回路ICなど(ジャイロセンサ等)
  4. マイコン、マイコンの周辺のコンデンサ、ブート/リセットスイッチ等
  5. マイコンでペリフェラルの動作確認
  6. その他の部品

電源回路を最初にはんだ付けして動作確認を行う理由としては、電源回路がだめな場合マイコン等を付けても壊すだけや、起動しない等の問題と直面することが確定するためです。続いて、QFN等を付ける理由としては、QFN等のリードがついていない部品のはんだづけは難しいためです。QFN等のはんだ付けを失敗してランドの破壊やパターンの破壊をしてしまった際にUEWでどうにかするのか、新しい基板にはんだづけをするのか?という二つの選択肢が現れます。

ここで、電源回路の確認が取れている場合は新しい基板に移行してQFNのはんだ付けをもう一度してうまくつけられたら新しい基板に移植して使用する等の選択肢が簡単にとれます。もし、最後に失敗をした場合は気合でどうにかしようとして更にだめにしてしまうという悪循環に陥る可能性が高くなります(ジャイロ立て職人は除く)。

次にマイコンを付ける理由としては、3でつけた部品の動作確認やマイコンに書き込みができるのかどうかといった重要なことを確認しておくことで、ミスが見つかった時点で考え直すことができるためです。すべての部品を付けてしまうと、エラーの理由がハードウェアなのかソフトウェアなのかの問題の切り分け作業も大変になることもあります・・・。

ただし、全ての回路が動作確認を過去にとれている場合は、全てはんだ付けをしてしまいます。今回のメイン基板はマイクロマウス競技等で動作実績のある回路だったため、はんだ付けをすべてしてから動作確認を行いました。

はんだづけの風景

今回の基板のはんだづけの進捗をTwitterに上げながら行ったのでいくつかここで紹介したいと思います。


最後のツイートに怪しい気配が漂ってますね。

今回の基板の問題点

メイン基板編

今のところは、特に問題点はみつかっていません。ただ、センサを光らせたりしている3.3Vのレギュレーターが時間経過とともに熱をもってしまいます。理由としては、センサ基板のGP2S700HCPの赤外線LEDを常に点灯しているためのようです。センサ基板を外すと発熱が収まりました。

センサ基板

問題点が複数でたので箇条書きで書いていきます。

  • センサ回路の赤外線LEDの抵抗値が予定していたものではだめだった
  • センサ回路のフォトトランジスタの抵抗値が予定していたものでは小さかった。
  • 12ポートのAD変換をADC1のDMAで連続で12チャンネルを行った結果、一つのセンサの値が大きくなると他のセンサに影響を与えてしまうということがおきた。
  • センサ基板をつけていると、メイン基板のレギュレーターの発熱が大きくなる。
  • センサを常時点灯にさせているせいか、バッテリーの電池消耗がはやくなっている。

結論から申し上げますと、センサの値が暴れる、レギュレーターが発熱する、センサの値が安定しないというだめな点がてんこ盛りでした。再度、センサ基板の設計、発注、はんだ付けをしたいと考えています。

センサ基板Ver2について

変更版回路図について

変更した回路を以下に貼り付けました。

rokisi_sensorV2

2つのフォトトランジスタをそれぞれ一つのAD変換ポートにつないで、それぞれのIRLEDをMOSFETを使用してオンオフができるという状態にしました。

このようにすることで、センサの赤外線LEDの干渉を減らすことができることが期待できたり、2つのセンサを同時に光らせたときの値を使用して幅広いライン検知を行ったり、一つずつのセンサの値を使用してラインの重心計算をしたり、AD変換のポートを減らしたりということができると考えています。

はんだづけの風景で紹介をしたセンサ基板の改造では、2つのセンサを一つのADポートから入力できるようにして幅広いセンサとして使用するようにして、AD変換を行うポートを減らすということを行いました。その結果、12チャンネルの変換から8チャンネルに減らすことができました。再度AD変換の値を見たところ12チャンネルの時とは違い、一つのセンサの値が上がっても他のセンサの値まで上がるという現象は小さくなったため、使用できる程度になりました。

その他の変更点

センサの数を10個から12個に増やして、センサの見ている範囲を少しだけ広くしました。

基板の外形を変更しました。

 

さいごに

なかなか一筋縄ではいきません。ハードウェアの部品がゴールデンウイーク前に届いてほしいなぁと日々祈っています。まずは、走らせて問題点の洗い出しをしたいと思います。最短走行等は走ってマシンのログデータが取れるようになって、ハードウェアがしっかりとしてから考えていく予定です(マウス十則を戒めにしているため)。