マイクロマウスや電子工作に使用している電子工作用工具の紹介

2020年6月7日

マイクロマウス関連記事のまとめはこちら。

こんにちは。先日、Twitterで以下のようなアンケートを取った結果を踏まえて書くことにしました。

今回は、使用している工具などの紹介をしていきたいと思います。私個人の考えとしては、工具などはできるだけよいものを購入して作業効率を上げることこそ良いことだと思っているため全般的に値段が少し高いかもしれないです。ただ、高いものは壊れづらいことや、だめになりづらい(=長く使うことができる)、安いものを複数個買うよりも最終的には安くつくことが多いので初期投資はケチらない方がいいと思います。




はんだごて

電子工作などをしている方はお馴染みだと思いますが、はんだごてはFX-600がいいと思います。温度調節が200度から500度の間ででき、こて先も充実しているためとてもおすすめです。

電子工作をする予定があるなら思考停止をして購入しても損がないと思っています。

こて台のおすすめ

スポンジを使うのではなく、金属たわしのようなものでこて先に残った不必要なはんだを除去するものです。水を使わないため準備が楽な点や、こてさきを冷却することなく使えるためこてにもやさしいと思います。

こて先のおすすめ

はんだづけを行う上で、使用するこて先によっては難易度が天と地ほど変わることが多々あります。そのため、こて先を付けたい部品や外したい部品に合わせて使用することで作業効率を上げることが可能になります。私が主に使用しているこて先を紹介していきたいと思います。

K型、ナイフ型

他のこて先よりも値段は高めですが熱容量が大きい、当てられる面積が大きいという二つを兼ね合わせているため部品を外すときなどに重宝しています。

1608/2012/3216サイズなどの場合はパッドを二つとも温めることで簡単に外すことができます。また、表面実装でも複数ピンのものは片方のピンをすべて温めて軽く持ち上げてを繰り返すことや二本用意して挟んで外すといったことや、DIP部品のピン数が少ない場合は一度ですべてのピンを温めることで簡単に外すことが可能です。
大きさの雰囲気はこんな感じです。こて先であてているコンデンサの大きさが1608サイズです。

C3型

商品写真を見ていただければわかるとおみますが、45度の平面があります。MPU6500などのフットプリントでいうところのQFNをはんだ付けするときに側面に当てやすいです。
また、熱容量が大きいため大体の部品を付けることができます。私はマイクロマウスの機体のはんだ付けはほぼこれだけで行っています。
はんだごてが太いので横とショートしやすいのではないかと思われるかもしれませんが、フラックスを塗ったり、はんだの表面張力などによりすることで横のパッドとつくことはほとんどないです。

その他

また、はんだごてを使用したあとこて先が酸化しないようにはんだを表面につけてから電源をきりましょう。こて先の表面が酸化すると熱が伝わりづらくなり使い物にならなくなり再度購入しなければならなくなりお金が余計にかかります。面倒がらずにしっかりとやることをお勧めします。

ピンセット

皆さんはチップ抵抗やチップコンデンサ、LPQF,TSSOP,QFNといった表面実装用パッケージを使用していると思います(偏見)。さて、手で部品をつかんで配置箇所までもっていくことはできません。
そこで使用するのがピンセットだと思います。工作用と電子工作用で分けて使用しているつもりがいつの間にかに共用になっているという現象がなんども起き、気づいたときには先端が曲がっているということがありました。
ピンセットは先端が曲がってしまうと、上手くものを持つことができなくなったり、リフローのために部品を置くときに上手くできなかったりします。以上のことから、ピンセットは安いやつでいいと考え、比較的安くて使いやすいと思ったものを使用していきます。

ストレートタイプ

まっすぐなやつです。私はだいたいこれを使用しています。

わし口タイプ

先端に45度に曲がっているやつです。狭い場所に電子部品を置くときに使用をしています。

その他

工作用と共用で使用しないという信念を持っている方はもう少しいいやつを購入したほうがいいと思います。私も一度購入して使いましたが1000円程度のピンセットは使いやすかったです。
参考までに購入したものを紹介させていただきます。

自宅で圧着コネクタの指す方向を間違えて圧着端子を抜くための作業を間違えてやってしまった結果先端をだめにしました。先程紹介したgootのやつを使用したと思っていたところの不意打ち(自滅)でした。がばがばですね。

 

 

はんだ関連

基本的にやに入りはんだを使用することをお勧めします。やにはフラックスの個体であるものだと思えばいいです。また、環境に考慮するかどうかで鉛フリーまたは鉛入りのどちらを使用するかを検討しましょう。
趣味で使用する分には鉛入りのほうがいいと思います。鉛入りの場合は融点が低いことや濡れ性が高いためはんだづけがしやすいと思います。ただ、企業などで使用するときには鉛フリーになると思います。趣味から鉛フリーになれるんだという気概がある方は鉛フリーを使用してみてください。
私個人の考えとしては鉛フリーではんだづけをすることの難易度を100とすると、鉛入りはんだは1くらいです。言い換えると鉛入りはんだのほうがはんだづけは簡単なので、初心者の方は鉛入りから入門することをおすすめします。

線径 0.8 mmのはんだ

なまりの含有量が37%と低いのにも関わらず融点が普通のはんだよりも低いためはんだづけが比較的しやすいという思いから使用しています。
ちょっと太いはんだに関しては個人のこのみでいいと思ってます。

線径 0.3mmのはんだ

LPQFやQFNのはんだづけをするときにはんだを多くこて先にもってつけようとするとブリッジを必然的にさせてしまいます。線径0.3mmのはんだを使うことではんだの量を少なく盛ることができ、簡単につけることができるようになります。他の線径のはんだよりも値段が高いですが、これを購入することで時間と楽を得ることができました。

はんだ吸い取り線

はんだ付けをする上ではんだを盛りすぎたときに盛りすぎたはんだを除去するのに使います。

フラックス

はんだづけをする前に塗るとはんだ付けが楽になります。ランドに塗ることでランド表面の異物や酸化膜を取り除くことができるそうです。
ペンタイプやはけタイプがありますがどちらを使うかは趣味できめればいいと思います。
それぞれの問題点をあげると、ペンタイプは一点でつけることができますが、キャップの締め忘れをすると先端が固まってしまい一発で使えなくなってしまう可能性が生まれます。瓶(はけで塗る)タイプはキャップの締め忘れをするとフラックスが漏れて悲惨なことになる可能性があります。
どちらとも人間によるエラーなので、購入はそれぞれの判断にお任せです!私は自宅では瓶、持ち運びはペンタイプを使用しています。

 

瓶タイプ

ペンタイプ

フラックスリムーバー

先程フラックスの紹介をしましたが、フラックスを基板に残したまま洗浄しないと絶縁性が保てなくなりショートの原因となる可能性があるそうです。危険性を排除するためにフラックスは洗浄をしたいところです。フラックスの洗浄にはフラックスリムーバーを使用しましょう。

フラックスリムーバーには缶のスプレータイプと瓶の液状タイプがあります。どちらを使うかは好みでいいと思います。持ち運びを基本とする場合は瓶タイプ一択だと思います。

私が使用したことのあるものを紹介します。

缶のスプレータイプ


使う前に振ってから使わないとガスが漏れてしまい最後まで使えなくなる可能性があるので、使用する前には振りましょう。

 

瓶のタイプ

フラックスの瓶タイプ同様締め忘れをすると悲惨なことになります。気をつけましょう。

 

キムワイプ/無水エタノール

みんな大好き(?)キムワイプです。電子工作においても使用されます。使用タイミングとしてはフラックスリムーバーのふき取りや、ピンセットのこて先が汚れたときに無水エタノールなどをキムワイプに少ししみこませてからぬぐうことでピンセットの先端をきれいにするときなどに使用します。無水エタノールに関しては、はんだ付け、はんだペーストを塗る前の洗浄や、はんだペーストを塗るのに失敗したとき、ステンシルをきれいにするとき、フラックスリムーバーの代用なでで使用します。

無水エタノールは、火の近くで使用することは危険なので各自良識を持って使いましょう。キムワイプはちり紙と違ってしっかりしているので工作中には使いやすいので、下手にちり紙で横着するくらいならキムワイプを使った方が楽に作業を進められると思います。

キムワイプ(6こ入り)

無水エタノール(500ml)

湿度が高まると引火性があがるそうなので、湿度の低い冷蔵庫または、火の使わない場所で日陰がいいと思います。

さいごに

電子工作で使用しているものの紹介をし始めたら思った以上にたくさんあり、工具などを書くと長くなりすぎると思ったため複数回にわけて書いていこうと思いました。
次回は使用している工具の紹介を書いていこうかなと思います。