マイクロマウスで得られたこと
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私がマイクロマウスを始めてから1年半くらいたちました。
マイクロマウスを始めるきっかけになったのは、当時所属していたサークルの先輩から「作らないの?」と言われたことがきっかけです。その後いろいろとあって当時所属していたサークルはやめて、基本的に個人で製作をしています。
マイクロマウスの機械、回路設計、MPU-6500などのQFNやLPQF設計をしといった部品のはんだ付けの仕方、制御のノウハウ、迷路アルゴリズムの実装方法といった実践的な方法や情報がなかったため、手探り状態で機械設計、回路図てマシンを作り、プログラムの作成をしました。
一年間やった結果、以前はできなかったこともいくつかできるようになりました。それは、マイクロマウス以外でも活かすことができることが多くありました。
心構えや、この経験から得られたことを紹介したいと思います。
マイクロマウスを通して得られたこと
- 日々の勉強をすることが楽しく感じるようになった
- 自分が知らない新しいことに挑戦するハードルが減った
日々の勉強で学ぶ内容を、マイクロマウスでどのように活かすことができるのかといったことや、マイクロマウスで使っている考え方の下地を学んだ際に理解がしやすくなり学ぶことが以前よりも苦ではなくなりました。実際に使われているものがはっきりとするとやる気も比例してあがりました。高校生の時は積分・微分は勉強する必要あるのかと思っていましたが、今日では必須、これがないとやっていけない。当時にしっていればもっとやる気がでたのにと思ったりすることがあります。
マイクロマウス製作は新しいこと、わからないことの連続でした。初めて使うマイコン、開発環境のセットアップもやったことがない、制御のプログラムの書き方や理論がわからない、迷路アルゴリズムがわからないといったようにわからないこと尽くしでした。
これらに挑戦し、それなりの形にできたことで心理的なハードルが下がり、挑戦を以前よりもすんなり始めることができるようになりました。
辛いこともたくさんありましたが、その分だけ得られたこともありました。
目標は小刻みに設定しよう
目的は、最終的に達成したい点という使い方で、目標は目的に達するための通過点です。
そのため、目標はその時に手がぎりぎり届く高さに設定をすることをしていました。
目標が見えることで次に何を行えばいいのか、達成をすることでモチベーションのアップや次にやることが自然と見えるようになっていくと思います。
目的は、「公式大会で完走する」でした。そのため、目標はころころ変わってました。
昨年度の私の目標は次のような流れで変化していきました。
- 機械設計を完成させる
- 回路設計、配線を完成させる
- 発注、組み立てる
- マイコンの設定をして使えるようにする(それぞれの機能を目標にした)
- 一区画前進
- 超信地旋回ができるようにする
- 迷路アルゴリズムが動けるようになる
- 迷路を走ることができる
このように、開発の進行に合わせて必要なことを一つずつ目標にしていました。
失敗を恐れない
失敗にはいくつかの事例があると考えています。大まかに次のような事例があると思います。
- 理解をできていなかったことによる失敗
- 確認を怠ったことによる失敗
- 作業の失敗
- うっかりミスによる失敗
マイクロマウスにおける例を1~4それぞれ上げていきます。
1.は、設計の時のやり方や、電子部品の各素子のデータシートのどこを読めばいいのかがわからずに間違えて配線をしてしまうといった根本的に理解ができていないことによる失敗。
2.は、基板の発注データを出す前に、各レイヤごとにちゃんとデータがあるかどうかの確認を行ったことによって、スルーホールが開いていない、レジスタがかかっていないところがあるといった確認をしなかったことによる失敗。
3.は、QFNやLPQFといったはんだ付けの難しい素子のはんだ付けを失敗。
4.は、電圧を図るためにプローブを当てていたら間違えてショートをさせてしまい、回路全体をだめにしてしまう失敗。
これらの改善方法は、振り返りを行うことだと考えます。一見当たり前のことですが、実際に行うことはとても難しいです。失敗やミスをした後は、その失敗やミスからどうしても目を離したくなり、次に進もうと振り返りをしないことが多いです。私は、全力で目をそらそうとします。それをぐっとこらえ、やってしまった後に何が悪かったのか、どうすれば再発防止になるのかといったことを考えました。具体的な対策としては、ToDoリストの作成や、注意事項のドキュメント、ルーチンを作り、作業前に確認を行うということです。これらを始めてからは失敗が以前よりも減りました。
マイクロマウス製作を通じて嫌というほど身に染みたことは、「失敗を通してなぜ問題がおきたのかを反省して考え、次に活かさないことが何よりも問題である」ということでした。
失敗は恐れる必要や失敗をしてしまうことによって得れた問題と向き合うことから、経験や知識だけでなく実践的で役立つノウハウやなどを得ることができるかどうかは、失敗をした後の次にとる行動次第だと思います。
手を動かす
これに関しては、人それぞれの個性がでると考えています。
例えば、パソコンを買った際に、説明書を全部読んでからやった方が理解がしやすい人や、動かしながら問題がでたら説明書などを読んで進める人といった人といったように人それぞれなので一概に良い方法とは言えないとは思っています。
私は、後者の実際にやりながら理解を進めるタイプなので書かせていただきました。
まずは、わからないなりにマシンを作り、実際に動かしてその時点で、何がいいのか、何が問題点なのかを洗い出し、次回作に活かす。これを繰り返すことによってちゃんと迷路を走ることのできるマイクロマウスが作れたと思っています。参考までに、昨年度は4台作りました。
しかし、やみくもに作ればいいという考えは大きな落とし穴があるのでお勧めしません。他の人になんで新しいマシンを作ったのと質問をされた際にちゃんと答えられるといいと思います。
手を動かすことによるメリットは手元にものがあるということでモチベーションアップに繋がると考えられるからです。初めての場合は、紙の上で難しい理論を考えるよりも泥臭く作業をした方が楽しいと思います。モチベーションがなくなると開発そのものが止まってしまう可能性が高まってしまいます。
特にマイクロマウスは個人競技であり、機械・回路・制御・ソフトの設計、落とし込みをすべて一人でやらないといけません。
同期の初めてロボットを作っているという方と一緒にマイクロマウスを作っていて思ったことは、手を動かして、一つ一つ知識を蓄えていくことをしていくといいと思いました。
マイクロマウスを始めたいと思っている方へ
私は、マイクロマウスを始める前に他のロボコンに参加をしていて、ある程度の下地はあったと思います。そのため完全な初心者という状況からマイクロマウスを始めたわけではありません。そのゆえに、一年間で四苦八苦しながらマシンを複数台作り動かすことから、ノウハウをためることができたと思っています。
初心者で右も左もわからないけどやりたいという方は、マイクロマウスをやっているサークルや部活に参加する、勉強会などに参加して、大会参加者達の雰囲気を知りネットワークを増やすことや、知人でやっている人に頼んで一緒に教えてもらいながらやるといいと思います。
一つだけ言えることがあるとすれば、行動を起こすことが何よりの近道です。
さいごに
特に、失敗の振り返りはしっかりとできるようになりたいと思っています。これらのことを教訓に今年度も頑張っていく所存です。
マイクロマウスやロボットコンテストなど目的が明確な趣味で勉強すると楽しく、いろいろな力を身に着けることができると思うので、趣味に打ち込むときは明確な結果が見えている状態でやるといろいろなものを得れるのかもしれないと思いました。